家を買う時に必要な頭金とは?頭金を用意するメリットと目安額
住宅を購入するにあたって、まず必要になる大きなお金といえば「頭金」でしょう。
夢の一戸建てマイホームのため、とにかく頭金を用意しなくては、と貯金を頑張っている方も多いのではないでしょうか。
では、実際にどれくらいの頭金を用意しておくと良いのか、具体的な金額を把握できていますか。
一昔前とは異なり、現在は頭金なしでの住宅購入も不可能ではありません。
また、購入したい物件の金額によっても用意すべき頭金の額は変わってきます。
そこで、今回は新築一戸建て購入のために必要な頭金について網羅的にまとめました。
データやシミュレーションを交えながら、現代の頭金事情について詳しく解説します。
いつかは戸建てに住みたいという方も、具体的に購入の検討を進めている方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
頭金とは
「頭金」とは、住宅本体に対する支払い金額のうち、住宅ローンによらないもの、つまり現金で支払う部分のことを指します。
一般的なご家庭の場合、ほとんどの方が住宅ローンを利用して家を所有していて、現金一括払いという方は少数です。
実際に住宅を購入するには、頭金に加えて諸費用(仲介手数料・印紙代・税金など)がかかってきますので、住宅資金を貯めるのであれば頭金プラス諸費用と捉えておくと良いでしょう。
あらかじめ、きちんと資金計画を立てておくことが大切です。
資金計画の重要性
資金計画を立てることは、マイホームを持つためには大変重要です。
そもそもの住宅予算はどれくらいにするのか、頭金をいくら貯めるかといったことを計画していきます。
もちろん、こだわりを全て実現したマイホームが理想ではありますが、予算をかけすぎたことで住宅ローンの支払いができなくなっては元も子もありません。
現在の収入や貯蓄のほか、将来的な年収や出費の増減なども考慮すべきでしょう。
また、子育て世帯の場合は、子どもの成長とともに支出が増えていく傾向にあります。
特に、学校は公立か私立か、どのタイミングから私立に進学させるのかによって、支出は大きく変わります。
将来的に子どもを持ちたいと考えているご夫婦や、きょうだいを考えているご家庭も、ある程度家族計画の見通しを立てておいたほうが良いでしょう。
さまざまな観点から無理なく支払える金額を算出し、予算を決めます。
頭金の割合
頭金の割合は、かつては住宅価格の約2割が目安と言われていました。
これには、住宅ローンを取り扱う金融機関が決めていた融資率が関係しています。
多くの金融機関は、住宅価格に対するローンの割合を、最大8割までとしていました。
つまり、2割の自己資金が必要だったというわけです。
しかし、現在は住宅価格の10割、あるいは諸費用を含めた10割以上のローンが組める商品も登場しています。
とはいえ、資金に余裕があるのであれば、住宅価格の1~2割は頭金として支払ったほうが良いでしょう。
ローンは、本来の返済額にプラスして利息を支払うものですから、頭金が多ければその分支払う利息も少なく済みます。
返済期間が短縮できる、繰り上げ返済が見込めるといったメリットもあるでしょう。
住宅ローン金利と頭金
頭金の割合により、住宅ローンの適用金利が変わる商品もあります。
フラット35商品の場合、自己資金(頭金)なし、頭金1割以上、2割以上でそれぞれ0.3%ほど金利が異なります。
小さな数字に見えますが、借り入れ金額は数千万円ということがほとんどですから、支払う金額の差はかなり大きいと言えるでしょう。
金利が変わる商品ばかりではありませんが、頭金として支払える額が大きければ大きいほど、住宅ローンの選択肢も広くなり、より自分に合ったお得な商品を選べます。
頭金を多くすることのデメリット
頭金は、多ければ多いほど良いように見えますが、必ずしもプラスになることばかりではありません。
貯金をゼロにするくらい自己資金を用意し、使えるお金が手元に残らないというのは、リスクになるおそれがあります。
自分や家族の病気などで仕事を休まざるを得なくなったとか、教育費などで大きな出費が続いたという時に、生活が厳しくなってしまうこともあるでしょう。
諸費用も加味して、これくらいあれば安心できるだろう、という額を手元に残しておいたほうが良いかもしれません。
賃貸に住みながら頭金を貯めるなら
既にある程度まとまったお金があれば問題ないのですが、マイホームのために今から頭金を2割貯めようという場合は、再考の余地があるかもしれません。
現在賃貸住宅に住んでいて、今の生活費に加えて頭金を貯めるのは、収入的になかなか難しいという方もいるでしょう。
場合によっては、早い段階で住宅を購入してしまったほうがかえって得だということがあります。
少額の頭金ですぐに購入し支払う利息の総額と、まとまった頭金が用意できるまで払い続ける家賃の総額を比較してみましょう。
後者が上回るのであれば、トータルの支払額は先に住宅を買ったほうが安くなります。
用意できなかった頭金の分は、繰り上げ返済を行うことで同等の効果が得られます。
家計に余裕がある時を選んで、柔軟に対応できます。
戸建てを買う際に支払う頭金の平均は
では、実際に新築一戸建てを購入された方は、どの程度頭金を支払っているのでしょうか。
国土交通省発表の、令和元年度住宅動向調査によると、三大都市圏における新築一戸建ての購入価格は約3,650万円でした。
このうち、自己資金は約800万円で、約2割を頭金として支払っていました。
一方、住宅金融支援機構の発表では、また違った数字が出ています。
2020年度、フラット35を利用し、首都圏で新築一戸建てを購入された方のデータが公表されています。
購入価格は約3,900万円、それに対する手持金は約300万円で、頭金の割合は1割を切っています。
このことから、利用する住宅ローンの種類によっても頭金の割合が大きく異なることがわかります。
頭金2割が絶対という時代ではありませんが、少なくとも購入価格の1~2割を目安に、頭金を用意しているとみられます。
頭金のシミュレーション
データを参考に、住宅価格をいくつか設定しながら頭金を算出してみましょう。東京を除く、首都圏の郊外エリアに住宅を持つのであれば、3,000万円未満の物件も多くあります。購入価格を3,000万円とした場合、頭金は1割で300万円、2割で600万円となります。
都内の新築一戸建ての平均価格は、不動産経済研究所の2019年の発表によると約6,800万円。
頭金を1割とすると680万円、2割で1,360万円です。
住みたい街や地域によって住宅価格は大きく変わります。
また、実際には頭金だけでなく物件価格の5~10%程度の諸費用も必要になります。
希望のエリアに住むのであれば、どの程度自己資金が必要そうなのか、あるいは、頭金を2割支払っても余力を持って住めそうなエリアはどこなのか、というのをチェックしてみても良いでしょう。
頭金ゼロの場合
先述したように、頭金0円でも住宅購入は不可能ではありません。
近年は住宅ローン金利が1%を切っていて、さらに住宅ローン減税などの制度も充実しているため、頭金なしで住宅を取得する方も増えています。
ここでは、頭金なしで購入することのメリットについて確認しておきましょう。
頭金0円のメリット
まず、第一に挙げられるメリットとしては、自分の理想を叶えられる、魅力的な物件を諦めないで良いという点です。
希望する条件に合う物件に出会えるかは、タイミングによるところも大きいでしょう。
どうしても住みたい物件が見つかった時は、頭金を用意せずに購入することも可能です。
次に考えられるメリットは、住宅ローン減税の恩恵をフルに受けられる点です。
この制度は、年末の住宅ローンの残高に応じて控除額が決まります。残高が多ければ多いほど、控除額も大きくなります。
さらに、若い年齢で住宅ローンを組める点もメリットと言えます。
完済が早ければ、その分老後の生活費を多く確保することができます。
また、ほとんどの住宅ローンは団体信用生命保険に加入しなければなりません。
通常の生命保険と同様に、健康状態を告知した上で審査されるようになっていますが、高齢になるにつれ病気のリスクも高まります。
健康状態によっては、団体信用生命保険への加入が認められず、住宅ローンが組めない可能性もあります。
加えて、金利を上乗せすることで疾病保障特約がつく商品もあります。
このような特約は、多くの商品で年齢制限がありますので、頭金0円でも早めにローンを組むことはプラスになり得ます。
頭金ゼロの場合の注意点
頭金0円で住宅を購入することには、デメリットもあります。まず、住宅ローンの返済額がどうしても多くなるという点です。
借入額に対して利息がかかるので、頭金を何割か用意した場合よりも総支払額は上がってしまいます。
また、変動金利のローンを組んでいる場合も、残高が多い状態で金利が大きく変わると、返済額への影響が大きくなります。
頭金以外の初期費用
家の購入にはどのくらいのコストがかかるかをご存知でしょうか。
物件探しをしている際、家の販売価格ばかり注目され、その他の初期費用は見落とされがちです。
こちらの記事では、家を買う際の初期段階でかかる費用を紹介します。
事前の支払いシミュレーションをするためにも、ぜひ参考にしてください。
一戸建ての維持費用の相場
一戸建ての維持費用にはどのくらいかかるのでしょうか。家を買う前に事前にチェックしておきましょう。
こちらの記事では、一戸建て購入に関する情報を中心に何歳ぐらいでの購入が多いのか、費用や年収の相場がどれくらいなのか、購入後もコストがかかるのかなどについてまとめています。
ぜひご覧ください。
綿密な資金計画の上で頭金の用意を
住宅購入の際に必要な頭金について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
新築戸建を購入するなら、1~2割の頭金は用意しておきたいところですが、0円でも住宅ローンを組むことは可能です。
戸建の中でも、分譲住宅は比較的手が届きやすい価格のものが多いので、若い世代、子育て世帯の方もマイホームの夢を叶えることができます。
本記事が、住宅購入を検討している方の参考になれば幸いです。
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